世界から批判される日本の人身売買について知っておくべき5つのこと
サポートセンターライトハウス代表を務める藤原志帆子氏の主張
今の日本は、あまりにも子どもたちに対しての正確な性の情報が欠けていると思います。あるのは、大人向けの商業的な作りものの性文化です。お金で性を買うというのは、もちろん昔からあるものですけれども、その中で無理やりやらされる人たち、子どもたちがいることを、早く社会が認識してほしいと思います。(中略)
参考資料:朝日新聞、国立国会図書館、ライトハウス、日経ビジネス、宝島
http://www.madameriri.com/2014/07/12/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E6%89%B9%E5%88%A4%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BA%BA%E8%BA%AB%E5%A3%B2%E8%B2%B7%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E7%9F%A5%E3%81%A3/
事実1: 日本は20年以上前から世界に批判されている
国立国会図書館の行政法務課が2005年に発表した「日本における人身取引対策の現状と課題」には、『我が国は、10 年以上前から国際社会から批判されている』との記述があります。アメリカ国務省の発行する「人身取引年次報告書」でも日本は、2012年6月現在まで11年連続で「人身取引根絶の最低基準を満たさない国」に位置づけられています。これは、カンボジアや南アフリカと同じレベルとなり、先進国では最低ランクです。
一番最近の2014年度版報告では、日本は4段階評価で上から2番目の「最低基準を十分に満たしていないが、改善に努めている」に分類されました。4段階のうち、最高評価だったのは米英仏独や韓国など。最低ランクは北朝鮮やロシア、イランなど23カ国でした。
事実2: 人身売買に関与している国ランキング第10位
日本は人身売買に関与している国第10位です。ちなみにこのランキングの第1位はミャンマー。4位に北朝鮮、7位中国、8位インドとなっており、先進国では日本のみがランクインするという結果になっています。
記事によると、日本の人身売買問題は日本企業の実施する「外国人研修・技能実習制度」が、賃金不払い、長時間労働、パスポートを取り上げるなどの不正行為によって移動の制限を行うなどにより、中国、東南アジア出身者の人権を蹂躙したり、暴力団組織が性風俗産業で外国人女性を強制労働させている実態にあるといいます。
事実3: 日本全国に推定5万4000人の被害者がいる
人身取引の撲滅運動を推進する米NPOポラリスプロジェクトの勤務を経て、現在は米国団体とのパートナー団体としてサポートセンターライトハウス代表を務める藤原志帆子氏はこう語っています。
「私たちの調査では、被害者は全国に5万4000人はいると推定しています。けれど、売春・性風俗産業は、違法と合法の境界がとても曖昧です。そこで行われている人身売買は、実態が見えにくく、正確なデータは警察すらも把握していないでしょう。私たちもこの数字は、本当に劣悪な人身取引のみを考慮した、控えめな数字だと考えています。」
少なく見積もって5万4000人。実際にはもっといる可能性があるという事実からも、どれだけ人身取引が日本で横行しているかがうかがえます。
事実4: 日本人被害者の数が過去最高
13日発表の警察庁の人身取引事件の報告によると、日本人被害者の数が過去最高にのぼったと報道されました。また、被害の4割は16歳少女などの未成年と、若年層への被害の広がりも深刻です。
国連によると、世界中で被害に遭う人身取引被害者2100万人のうち、発見されるのはその1%にも満たないとしてます。またGlobal Slavery Indexは、日本に7.4万人の“奴隷”がいるとしていますが、今回の警察発表の被害者数17人と照らし合わすと、被害に遭う5000人に1人しか見つけられてないことになります。
事実5: 新しい人身売買
今年2014年6月20日に米国務省は客がお金を払って少女とデートする「JK(女子高生の略)お散歩」も初めて問題視しました。報告書は、JKお散歩を、女子高生が男性と歩いたり、お茶を飲んだりするだけでなく、児童買春の例もあると指摘。少女らが「人身売買の犠牲になっている」と報告しました。
以前にJKリフレというサービスが摘発されましたが、これにはまがりなりにもお店の中というガードがありました。この摘発から半年後に登場したJKお散歩は無店舗型で、お店というガードすらありません。外で監視の目も届かない中、お小遣いと引き換えに男たちの要求に応えるとなれば、下着を見せたりする程度で済まないことは火を見るより明らかです。米国務省が問題視する理由もうなずけます。